IPv6: Internet Protocol version 6, frequently asked questions

WIDE Project, IPv6 working group

$Id: v6faq.j.html,v 1.7 1997/10/24 03:05:22 itojun Exp $

in English

註: 英語版を正式なものとします。日本語版のアップデートは遅れることがあります。 この文書は一般市民向けです。 IPv6の設計/実装者の方にはものたりないと予想されます。 御意見御感想はitojun@itojun.org まで。

Generic

Q: IPngとIPv6ってどう違うんですか? 同じですか?

A: ひとことで言えば、別かなあ。 IPngは「次世代IP」を指す概念的な名前です。 「IPng」という名前で特定のプロトコルがあるわけではありません。 IPv6は次世代IPを選択する段階で勝ち残ったプロトコル、SIPPの改定版の名前です。

(詳細についてはhuitema本の1章参照)

Q: 現在の動向を知りたいです。

A: とりあえずこのへんから見てください:
http://playground.sun.com/ipng/
IETF ipng working group homepage
http://www.wide.ad.jp/wg/ipv6/
WIDE IPv6 working group homepage
Christian Huitema, "IPv6: the new internet protocol", Prentice hall.
「インターネット参加の手引 1996年版」
「UNIX MAGAZINE」1996年8月号、アスキー

Q: IPv6仕様決定の状況はどうなっていますか? もう完全に固まりましたか?

A: 半分yes、半分noです。 基本仕様はRFC(Request For Comments)として文書化されています。 関連した上位層の仕様や応用的な仕様はIETF ipng working groupで議論され、 そのうちいくつかはinternet-draftとして公開されています。 詳細はplayground.sun.com参照。

Q: IPv6の優位点はなんですか?

A:

Q: IPv4アドレスはいつ売り切れちゃうんですか?

A: 推定によれば2010年です。

Q: じゃあ、IPv6のアドレス空間はどのくらいの期間使えますか?

A: (回答なし)

Q: 6boneってなんですか?

A: 6boneは"IPv6 backbone"の略称です。 6boneは実験的な世界規模のIPv6ネットワークで、IPv6の実装の相互接続性を 検証したり、IPv6がほんとうに実際の利用状況でうまく動くかどうかを 検証したりするために作られました。 World 6boneは地域単位の6boneの集合体としてできています。 たとえば、日本にはWIDE 6boneという地域単位の6boneがあり、これはworld 6boneに 接続されています。 6boneの大部分ははIPv6-over-v4トンネリングを使って形成されていますが、 一部にはIPv6専用の専用線も存在します (WIDE projectによって運用されている WIDE 6boneがそれです)。

Q: IPv6の特徴の多くはIPv4に追加されてますよね。たとえばDHCPとか。 なんでそれでもIPv6に移行しなきゃいけないんですか?

A: IPv4ではそれらの機能がオプションだ、ということが結構大きな問題です。 IPv6では基本仕様に重要と思われる追加機能が加わっているということが 重要です。 なぜだかわからない方は、以下の状況を想像してみてください: あなたはinternetの初心者で、ifconfigとか経路表の設定なんか 全然できません。 今日はラップトップを持ってある大学にプレゼンテーションにやって来ました。 ラップトップをネットワークに物理的に接続したところ、座長が「この大学には DHCPサーバがないんだよ。それに、今日は管理者は休みなんだ」と言われました。

Q: なぜNATではアドレス空間の枯渇に対応できないんですか?

A: まず、IPv6はアドレス空間を拡張しただけのIPv4ではありません。 もっといろいろなことが含まれています。 IPv4はもう20年以上も利用されていて、仕様をつくるときの前提条件と現在の利用 状況の間にずれやひずみがあります。 IPv6は最新の、そして21世紀に絶対必要なテクノロジを含んでいます。

また、たくさんのひとたちが洗濯機、TV、音響製品、エレベータなどの家電製品を インタネットを使って相互接続しようとしています。 このように人間ひとりあたりのIPアドレスが増えてくると、NATでは 対処しきれないでしょう。

Q: IPv6ならではのアプリケーションってありますか?

A: IPv4を使って実装されていたアプリケーションはほとんど全部IPv6の上で 動いていますが、まだIPv6に特有のアプリケーションはみつかっていないと おもいます。 IPv6が充分普及したところで、IPv6の機能を活かしたアプリケーションが 登場するでしょう。 とりあえずDOOMとNetscapeをIPv6対応にしましょうかね:-)

Q: なんでIPv5じゃなくてIPv6なんですか?

A: "5"というバージョン番号は、ST-IIプロトコルに既に使われています。

実装

Q: いつごろIPv6対応製品が出て来ますか?

A: 現在のところ、ごく少数の会社だけがIPv6対応製品を出しています。 1997年初頭から製品が出て来るのではないかと噂されています。

Q: WindowsでもIPv6は使えますか?

A: はい、そのために動いている組織があるようです。 詳細はplayground.sun.com参照。

Q: MacintoshでもIPv6は使えますか?

A: はい、そのために動いている組織があるようです。 詳細はplayground.sun.com参照。

Q: IPv6入りUNIX kernelを使ってみたいです。

playground.sun.comにいきましょう。 配布自由な実装がいくつか参照されてます。

移行

Q: いつ頃IPv4からIPv6に移行しないといけないですか?

A: IPv6は最初、バックボーンからなめらかに既存のIPv4によるインタネットに 導入されていきます。 たぶんあなたはバックボーンの移行に気づかないでしょう。

あなたの組織やあなたの机の上のマシンがいつ移行するかについて予想するのは 結構難しいです。 製品の出荷時期、あなたの組織のネットワーク構成や移行ポリシなどに 依存しますから。

Q: IPv6ホストはどうやって既存のIPv4ホストと通信するんですか?

A: IPv6が導入されてから数年は、IPv6ホストはIPv4も喋れなければいけない、と 定められています。 すなわち、IPv6/v4ホストはIPv4ホストとはIPv4で通信し、IPv6ホスト(正確に 言うとIPv6/v4ホスト)とはIPv6で通信します。

Q: 今日ルータを100台買ってしまいました。 IPv6が普及したとき、このルータをIPv6で使うことはできるでしょうか?

A: IPv6処理部はIPv4の場合と同様にソフトウェアとして実装されますので、 ルータメーカーにファームウェアのアップデートを頼めばいいでしょう。

Q: どうやったらIPv6に移行できますか?

A: もしあなたがエンドユーザで、IPv6自体に興味があるのでなければ、 製品が出るまで待ったほうがいいでしょう。 IPv6の実装や実験に興味があるなら、playground.sun.comに配布自由な実装を 入手に行きたくなるかもしれません。

Q: IPv6による接続性を提供しているプロバイダはありますか?

A: まだないと思いますけど...

そのほか

Q: "v6"ってアイドルグループはIPv6と関係はあるんですか?

A: いいえ、彼らがIPv6の名前を真似しただけです:-)